ピエール・エルメは、前コロンブス期文明のめくるめく神秘世界の奥深くへと私たちをいざないます。

その３千年の歴史の中で展開されてきた信じがたいほど多様な美術は、秘密のヴェールにすっぽり包まれています。また、多くの面が今もって謎である当文明は、その尽きない豊かさや、精巧な仮面や、複雑な太陽暦が魅力的な特色を成しています。これらのポイントこそは作品のインスピレーションの源泉になっているのです。

無限のバラエティに富んだ宇宙と、それがもたらす信仰に感動したピエール・エルメは、人々の心を捉えて離さないイースターコレクションを創案しました。それは聖なるものの極限をどこまでも追求しており、一つ一つの作品が想像の世界を刺激するものになっています。そこでは原始美術の宇宙に溶け込んだエッグがあたかも、謎めいた微笑の仮面とアステカ暦に対して秘密の一部を開示するように促しています。また、チョコレートのフリチュールも、魚や貝殻をかたどった旧来のタイプから、典型的な仮面をモチーフにしたものに変身しています。

今回のイースターコレクションは、これまでとは異なったもう一つの大陸の旅物語を提供しています。ここにおいては、驚嘆すべき文明が誇る緻密さと洗練さが時空を超えて示されているのです。

｢神秘のアートを育んできた前コロンブス期の芸術は、それを探求するのに時間を惜しまない人なら誰でも強烈に虜（とりこ）にしてしまいます。この芸術の中は、歴史を通じて展開されてきた夥しい文化と様式と領域とがないまぜになっています。私はそのハイブリッドな創造物に魅了され、その美しい仮面に陶然とする一方で、創作品の正確で対称的な構成に度肝を抜かれます。また、人間味のある作品と暗黒的な作品との間のコントラストにも大いに惹かれます」
ピエール・エルメ

ユカタン半島にある階段状ピラミッドのエル・カスティーヨは世界の７不思議の一つに数えられていますが、ピエール・エルメはこの度これを模して、グリフを彫り込んだ堂々たるエッグを支える台にしました。どっしりとした特別品であるこのユカタンエッグは、今なお多くの謎めいた面を持ちながらも、生命感にあふれたモダンなマヤ文化を象徴するものになっています。
透かしを入れたチョコレートの本作は６つの部分に切り分けられると、その秘密の素材の内容の一端が明らかになります。この特別品は、まさに考古学と超スイーツへのオード（頌歌）だと言えるでしょう。

アステカ芸術の白眉をなす「太陽の石」（アステカの暦石）は重さ２４トン近くの石彫の傑作で、現在メキシコ国立人類学博物館に展示されています。これは日と陽光と星を表す同心円から成っており、中心部には太陽神トナティウの顔が表現されています。ピエール・エルメは今回、表側が平らで裏側が膨らんだエッグを考案して、「太陽の石」のグリフと装飾を再現しました。

ピエール・エルメ・パリの代表的なイースター作品になっているアンプラントエッグは、沢山のフェイス彫刻があたかも陰画のように表現されています。前コロンブス期芸術の仮面彫刻からインスピレーションを得た特異な形の複数の刻印（アンプラント）が、チョコレートの壁面に直接彫り込まれているのです。

マヤピラミッドの階段上に鎮座するエッグを創作するに当たり、ピエール・エルメはアステカのグリフを模した絵文字を考案しました。そこにおいては当時の図画書がチョコレートになっています。チョコレートは、プリミティブな雰囲気を帯びたエッグの姿を表出する凹版彫刻にうってつけの素材だからです。

コレクションを彩るサブレや小さなエッグも、秘密のヴェールにすっぽり包まれた前コロンブス期文明のようにスイーツ世界の奥深くへと私たちをいざないます。

LA BOÎTE À SABLÉS
サブレ詰合わせ

¥1,404
クルスティアン カカウェット×6

PETIT ŒUF
プティ ウフ

¥1,512
プラリネ ノワール、プラリネ レ

復活祭（フランス語では「PÂQUES（パック）」、英語ではイースター）とは、キリスト教の最大のお祭りとも言われ、イエス・キリストが十字架に架けられた後、復活したことをお祝いする記念の日です。今年の復活祭は4月9日。毎年日程が違うのは、カトリックでは「グレゴリウス暦で春分の日の後、最初の満月を迎えた次の日曜日が復活祭」と決められているためです。生命の復活をお祝いするという意味から、生命の源である卵（イースターエッグ）や、多くの子どもを持ち、跳ね回る様子が生命の躍動を表していると言われるウサギ（イースターバニー）がシンボルとなっています。卵の殻に鮮やかな色彩を施したり、美しい包装をしたゆで卵が慣わしでしたが、近年では卵やウサギをかたどったチョコレートも広く用いられるようになりました。フランスの家庭では大人が庭に卵やウサギのチョコレートを隠し、子どもたちがそれを探して遊ぶという伝統的な復活祭のゲームを楽しみます。

また、復活祭を過ぎたあたりから、いよいよ待ち望んだ春がやってくると言われるとおり、厳しい冬に終わりを告げ、春の訪れを喜ぶお祭りでもあります。

ピエール・エルメ・パリでは、前コロンブス期の芸術に着想を得たイースターコレクションのほか、復活祭にちなんだウサギや卵の形のチョコレートもご用意しました。

Lapins de Pâques

Œufs de Pâques

【販売期間】
2023年3月20日（月）～2023年4月18日（火）
＊商品により展開期間が異なります
＊新型コロナウイルスの影響により、ご提供できない場合がございます

【販売場所】
ピエール・エルメ・パリ 青山、他直営ブティック、オンラインブティック